プチプラコスメとデパコスの本当の違いは?同じ成分でも「中身」は違います

コスメ全般

プチプラコスメ(低価格帯)とデパコス(百貨店化粧品)の違いは、値段だけではありません
「同じ成分が入っているなら同じでしょ?」と思われがちですが、実はそこが落とし穴です。

この記事では、化粧品業界25年以上の経験を踏まえて、1分で理解できるように、プチプラとデパコスの“本当の違い”を整理します。


結論:同じ成分でも「原料のグレード」が違う

一つポイントになるのは、成分表に書かれている成分名が同じでも、中身の質が同じとは限らないということです。

たとえば、分かりやすい例として「コラーゲン」を挙げます。

  • 同じ量でも「原価100円のコラーゲン」
  • 同じ量でも「原価1000円のコラーゲン」

このように、同じ成分名でも価格が10倍違うことが普通にあります。
つまり「コラーゲン配合」という表示が同じでも、コラーゲンの“内容”が違うわけです。


デパコスは原価が安い?という誤解

「デパコスは高いだけで原価は安い」と言われることがあります。
ですが、化粧品業界の構造としては、そこは少し雑な理解です。

実際には、多くの場合で、

  • デパコス:高い原料を使う(ただし販売価格も高い)
  • プチプラ:安い原料を使う(ただし販売価格も安い)

という構造になっています。

たとえば極端に言うと、こうです。

  • 10,000円の化粧品 → 原価1,000円のコラーゲン
  • 1,000円の化粧品 → 原価100円のコラーゲン

原価率の構造は似ていても、使っている素材が違う
だから、同じ「コラーゲン化粧品」でも使用感・効果実感・肌へのなじみが違うことが起きます。


プチプラとデパコスの違いは「成分」だけではない

もう少し現実的な話をすると、違いは成分以外にもあります。

1) 研究開発(処方設計)への投資

デパコスは、肌あたり・伸び・香り・なじみなど、
“気持ちよく使える体験”まで含めて設計されることが多いです。

これは料理で言えば、同じ「塩」でも
家庭用の塩と、料理人が使う塩では“仕上がりが変わる”のと似ています。

2) 容器・香り・テクスチャーの設計

プチプラはコスト制約があるため、容器や香りは合理的にまとめます。
デパコスは逆に、容器の触り心地や香りのストーリーまで作り込みます。

化粧品は肌につけるものですが、同時に「気分を上げる道具」でもあります。
ここに価値を感じる人ほど、デパコスに納得しやすいです。


例外:大手メーカーのプチプラは“お買い得”な場合がある

ここが面白いところなのですが、化粧品は市場原理が働きます。

たくさん原料を買えるメーカーは、同じ品質の原料を割安で仕入れられることがあります。
つまり、大手はスケールメリットで、

  • 良い原料を
  • 比較的安く

手に入れられることがあるわけです。

そのため、デパコスを作っているメーカーのプチプララインは、「価格以上に良い」と感じるケースが出てきます。


ただし注意:メーカーでもOEM生産の場合がある

ここで一つ注意点があります。

メーカーの名前がついていても、実際には

  • 自社工場で作っている場合
  • OEM(外部工場)に委託している場合

があります。

OEMだから悪いという話ではありません。
ただし、どこが作っているかで品質や設計思想が変わるため、「大手だから絶対安心」とも言い切れないのが現実です。


デパコスが強い理由:手に入らない原料ルートを持っていることがある

化粧品業界の中での話として、国産大手や外資の大手は、一般企業ではなかなか手に入らない高品質原料を特定ルートで仕入れられることがあります。

これは、長年の取引関係や、購買力、研究開発力があるからです。

結果として、

  • より高品質な原料を使える
  • より高度な処方を組める
  • より安定した品質を作れる

という差が出やすくなります。


では結局、あなたはどっちを選べばいい?

最後に、現実的な結論をお伝えします。

プチプラが向いている人

  • まずは色々試したい
  • 失敗しても痛くない価格がいい
  • メイクを気軽に楽しみたい
  • 日常使いで十分と考えている

デパコスが向いている人

  • 肌が敏感で、質感の差が出やすい
  • スキンケアで「体感」を重視したい
  • 香りや使用感も含めて楽しみたい
  • 失敗したくない(相談しながら買いたい)

実践ポイント:迷ったら「ここだけデパコス」が正解

私のおすすめは、全部をデパコスにするのではなく、差が出やすいところだけデパコスにする方法です。

たとえば、

  • ファンデーション
  • 下地
  • 美容液
  • クリーム

このあたりは、原料グレードや処方設計の差が出やすい領域です。

逆に、

  • アイブロウ
  • マスカラ
  • アイライナー

はプチプラでも優秀なものが多く、満足しやすいです。


まとめ:同じ成分名でも、プチプラとデパコスは別物です

プチプラとデパコスの違いを一言でまとめるなら、こうです。

成分表が似ていても、原料の質・処方・体験価値が違う。

そして、大手メーカーのプチプラが“お買い得”になるケースもある。

あなたが選ぶべきなのは、値段の高い・安いではなく、「どこに価値を置きたいか」です。

化粧品は、肌を整える道具であると同時に、気分を上げる人生の相棒でもあります。

あなたにとっての“ちょうどいい一軍コスメ”を、ぜひ見つけてください。

この記事を書いた人
安倉 秀人

株式会社大丸にて複数ブランドの統括を行い、現場での売上拡大とスタッフ育成を担当。百貨店の化粧品売場にて10年間、販売マネジメントや販促業務に従事。またメイクアップアーティストとしてイベントを中心に店頭活動に従事。
その後、株式会社船井総合研究所にてエステサロン、化粧品販売店、整骨院など美容・健康業界を中心とした経営コンサルティングに携わり、地域密着型店舗の業績改善を数多く実現。
さらに、株式会社コーセーにて新ブランド「ADDICTION(アディクション)」の立ち上げに販促担当として参画。ブランド世界観の構築や店頭プロモーション設計を行い、ラグジュアリーコスメ市場におけるプレゼンス向上に貢献。
その後、IT企業エスキュービズム株式会社にてソリューション営業に従事し、化粧品業界のDX支援に取り組む。月間MVPを獲得するなど営業面でも成果を上げ、現場・戦略・テクノロジーを横断した提案力を磨く。
独立後は、地域とブランドから化粧品店を探せるポータルサイト「キレイエ」を立ち上げ、美容・健康業界の経営支援と販促・ブランディング支援を行っている。また、中小でIT導入が進まない企業への導入支援とともに、化粧品業界の新しい未来をつくるための活動を行う。

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