ゆでガエル

安倉秀人

ゆでガエルの話って、みんな聞いたことがあると思いますが、

自分が、“ゆでガエル”になっているってことにあまり気づかないのではないでしょうか?

 

私たちのいる化粧品業界で見ると、化粧品販売店はここ数年1000件単位で廃業や閉店に追い込まれております。

世の中のEC化、大手資本の参入、小売店のチェーン化など、化粧品は販路が増えただけでなく、お客様の選択肢も格段に増え、競争はどんどんと激しくなり、熾烈を極めている状態です。

 

たとえば、メーカーの立場で見てみると、今までは大量のロット数や研究開発などの必要性から化粧品製造をできる企業というのは限られておりましたが、今はOEMという手法で小規模ででも製品が作れることから、アパレルメーカー、食品メーカー、クリニックなど様々なプレイヤーが参入にいたっており熾烈を極めた状態であります。

 

また、販売の立場から見ると、ECが今やあたりまえの消費チャネルになっていることをはじめ、至るところで化粧品は販売されております。ショッピングセンターのアパレルというお店をのぞいてみると、どこにでも当たり前に化粧品が販売されていることに気づくと思います。

 

そして、お客様の立場を考えてみると、今や化粧品はブランドでなければならないという買い方でなく自分のニーズに合わせてアイテムごとに必要なものを買うという方法になっていることに気づいているでしょうか?

もちろん、ブランドコスメでないといけないという方は一定数存在しているかと思いますが、今は多様化の時代。悩みもライフスタイルも人それぞれ。みんながこのブランドを買うから、私も買うという時代はとうに終焉し、自分の価値観の中で、モノを買うという時代になってます。

そのために、消費者は絶えず情報収集しています。アットコスメで口コミを見たりinstagramでカワイイコスメにときめいたり、美容雑誌で旬な情報を知り、youtubeや動画サイトでトレンドのメイクを学び、

私たちが想像している以上にお客様は化粧品を情報収集し、学んでいるのです。

 

まず、私たちは本当の現状を知り、消費者の行動を客観的に学びなおすことが必要ではないでしょうか?

 

お客様は何のために化粧品店に足を運ぶのでしょうか?

それはキレイになりたいからです。

それは、好きな男の子に振り向いてもらいたいから。

保育園での送り迎えで会う友達のお母さんより若く見られたいから。

職場でおばさんといわれたくないから・・・。

一人ひとりに様々な動機が存在しているはずです。

 

ただ言えるのは、お客様は化粧品が欲しいのはなく、ただ単にキレイになりたいのです。若くい続けたいのです。

 

私たちは化粧品を通してそのお客様の悩みを解決してあげようとしております。

 

では、私たちのやるべきことは何でしょうか?

 

そうです。

今のお客様をもっともっと知ることなのです。

商売を続けているとあたりまえのように売上があがり、あたりまえのように日々を過ごしているかと思います。

これは誰しもそうです。

でも、お客様は毎日、毎月進化して、新しい思考を手に入れているのです。

 

商売を続けていると成功ノウハウを編み出し、それを継続させるとしばらくはうまくいきます。

しかし、あらゆるもの、あらゆることにはライフサイクルがあります。

このライフサイクルの変化は、来月の月末が来たら変わります。というものではなく、徐々に徐々に気づかないように変化をしております。

 

あるとき、今までの成功法則が少しうまくいかないな・・と感じる。

若いお客様が減っているな・・・と感じる。

それでは、遅いのです。

まさに、カエルがゆであがる寸前という状態なのであります。

 

私たちのお客様は日々進化をしております。

常に志向は変化しております。

常にライフスタイルは変化しております。

 

私たちも今一度原点に返り、今のお客様を知るということをもう一度あらためて取り組んでみましょう。

 

私たちは化粧品を通して、キレイになることを提供しております。

お客様の本当の悩みを解決するために私たちができること。それを突き詰めていけば、キレイになるという課題はなくなるわけでも減るわけでもない永遠の課題ですので、商売は繁盛し続けるのではないでしょうか。

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